「昔のAVI動画ファイルを開こうとしたら、スマホやPCで再生できない…」 「SNSにAVI動画をアップロードしようとしたら、対応形式外だった…」
こんな経験はありませんか?AVIは古い形式のため、現代のデバイスやSNSでは再生できないことがよくあります。
最も簡単な解決策は、AVIを汎用性の高いMP4形式に変換することです。この記事では、Windows標準機能を使った簡単な方法から、高画質な専門ソフトを使う方法まで、手順を追って詳しく解説します。
AVIをMP4に変換するべき理由とは?

「AVI(Audio Video Interleave)」は、1990年代にMicrosoftによって開発された歴史ある動画コンテナ形式です。当時は画期的でしたが、現代の視点から見るといくつかの大きな欠点があります。
- 互換性の低さ
AVIは「コンテナ(入れ物)」であり、その中には古いビデオコーデック(DivX、Xvidなど)や音声コーデックが使われていることが多いです。
最新のスマートフォン(iPhoneやAndroid)、薄型テレビ、またはMacの標準プレーヤーでは、これらの古いコーデックがサポートされていないため、再生できない(映像や音が出ない)ケースが頻発します。
- ファイルサイズ
AVIは、現代の圧縮技術に比べて圧縮効率が悪い場合が多く、画質の割にファイルサイズが大きくなり・がちです。
- ストリーミング非対応
AVIはストリーミング再生(ダウンロードしながら再生する技術)を前提として設計されておらず、Web上での再生にも不向きです。
MP4(MPEG-4 Part 14)のメリット

一方で、MP4は以下のような優れた特徴を持つ、現代の「動画形式の標準」です。
- 高い互換性
ほぼすべてのスマートフォン、タブレット、PC、Mac、テレビ、ゲーム機で標準再生が可能です。
- 高品質・高圧縮
H.264やH.265といった効率的なビデオコーデックを使用し、高画質を保ったままファイルサイズを小さくできます。
- ストリーミングに最適
Webサイト、SNS(YouTube, X, Instagramなど)へのアップロードに最も適した形式です。
これらの理由から、古いAVIファイルはMP4に変換することが、最も賢明な動画データの管理方法と言えます。
WindowsにはAVI→MP4の変換機能は標準搭載されている?
「Windows PCでAVIをMP4に変換したい」と考えたとき、多くの方が「標準機能でできるか」を疑問に思うでしょう。
結論から言うと、Windows 11や10には「動画形式を変換する」専用のソフトは標準搭載されていません。
ただし、標準搭載されている動画編集ソフトの「書き出し(エクスポート)機能」を利用することで、結果的にAVIからMP4への変換が可能です。
- Windows 11: Clipchamp(クリップチャンプ)
- Windows 10: フォトアプリ(簡易的なビデオエディター機能)
これらのソフトは、動画編集が完了したファイルを「誰もが再生できる形式」で保存する必要があるため、その出力(書き出し)形式がMP4に固定されているのです。
今回は、Windows 11の標準動画編集ソフトとなった「Clipchamp」を使って、AVIファイルをMP4に変換する具体的な手順を紹介します。
Clipchampは、もともとはWebブラウザ上で動作する動画編集ツールでしたが、Microsoftによる買収後、Windows 11の標準アプリとして搭載されました。これを利用すれば、無料で、インストール不要(標準搭載のため)でAVIをMP4に変換できます。
Clipchampを使ってAVIをMP4に変換する方法【詳しい手順】
手順は非常にシンプルです。AVIファイルを読み込み、そのままMP4として書き出すだけです。
手順① Clipchampを起動する
スタートメニューを開き、「Clipchamp」と検索してアプリを起動します。もし見つからない場合は、Microsoft Storeから無料でインストールできます。

手順② 新規動画プロジェクトを作成
ホーム画面で「新しいビデオを作成」ボタンをクリックします。動画編集のプロジェクト画面が開きます。

手順③ AVIファイルをインポートする
画面左上の「メディアのインポート」ボタンをクリックするか、変換したいAVIファイルを直接ドラッグ&ドロップして、プロジェクトに読み込みます。

手順④ タイムラインへ配置
インポートしたAVIファイルを、画面下の「タイムライン」と呼ばれる領域にドラッグ&ドロップで配置します。これで編集(今回は変換)の準備が整いました。

手順⑤ 「エクスポート」からMP4を書き出す
画面右上の「エクスポート」ボタンをクリックします。画質の選択肢(480p, 720p, 1080pなど)が表示されます。元のAVIの画質にもよりますが、通常は「1080p(高品質)」を選択すれば問題ありません。
画質を選択すると、自動的にMP4形式での書き出し(エンコード)が開始されます。

手順⑥ 保存先を選択して完了
変換が完了すると、MP4ファイルは自動的にPCの「ダウンロード」フォルダに保存されます。これで、AVIからMP4への変換作業は完了です。
Clipchampで変換するときの注意点

手軽で無料のClipchampですが、あくまで「簡易的な動画編集ソフト」であるため、動画変換においてはいくつかの注意点(限界)があります。
- MP4以外の形式で出力できない
Clipchampの出力はMP4(またはGIF)に固定されています。AVIをMKVやMOV、WMVといった他の形式に変換したい場合には対応できません。
- コーデックやビットレートの細かい調整ができない
画質(1080pなど)は選べますが、ビデオコーデック(H.264かH.265か)、ビットレート(画質の詳細設定)、フレームレートなどを細かく指定することはできません。すべて自動設定です。
- 長い動画や大容量ファイルだと書き出しに時間がかかる
Clipchampは(特に無料版では)GPUアクセラレーション(PCのグラフィック性能を使った高速処理)に制限があるため、1時間を超えるような長いAVIファイルや、数GBに及ぶ大容量のAVIファイルを変換しようとすると、書き出しに非常に長い時間がかかることがあります。
- AVIの種類によっては読み込めないことがある
最も大きな問題点として、AVIファイルが非常に古いコーデックや特殊なコーデックを使用している場合、Clipchampの「メディアのインポート」段階でエラーが発生し、読み込めないことがあります。
「とりあえず無料の標準機能で試したい」という方にはClipchampは最適ですが、上記のような問題に直面した場合、より専門的な変換ソフトが必要になります。
ClipchampはAVIを「汎用的なMP4」に変換するには便利です。しかし、動画変換のニーズはそれだけではありません。
Clipchampの限界を超える、より高度な変換ニーズに応えるのが「Leawo 動画変換プロ」のような専門的な動画変換ソフトです。
Leawo 動画変換プロなら細かい設定 ・ 高画質 ・ 高速変換が可能
Leawo 動画変換プロは、Clipchampのような簡易的なエディタとは異なり、「動画・音声の変換」に特化したソフトウェアです。Clipchampでは不可能な、高度な処理を実現します。
Leawo 動画変換プロで動画を変換する手順
Leawo 動画変換プロの操作は非常に直感的です。Clipchampよりも短時間で変換が完了することも珍しくありません。
手順① Leawoを起動し、動画を追加
ソフトを起動し、「変換」タブを開きます。変換したいAVIファイル(またはClipchampで作成したMP4ファイル)を「ここにファイルを追加」の領域にドラッグ&ドロップします。

手順② 出力形式を選択(例:MKV/MOV/WMV/H.265 MP4)
追加されたファイルの右側にある「MP4 Video」などのボタン(出力形式ボタン)をクリックします。「変更」を選択すると、膨大な形式のリストが表示されます。
ここで、「MP4」を選択するだけでなく、「MKV」や「MOV」、あるいは「デバイス」タブから「iPhone」「Android」といったプリセットを選ぶこともできます。

手順③ 画質・解像度など詳細設定を調整
さらに高度な設定を行う場合は、出力形式ボタンの「編集」アイコンをクリックします。
ここで、ビデオコーデック(H.265など)、ビットレート(値を上げるほど高画質・大容量に)、解像度、フレームレートなどを細かく指定できます。「無劣化」に近い設定や、逆に圧縮を強める設定も自在です。

手順④ 保存先を指定し「変換開始」
画面上部にある大きな「変換」ボタンをクリックします。保存先フォルダを指定し、右下の「変換」ボタンを再度クリックすると、高速な変換処理が開始されます。

手順⑤ (オプション)変換後の動画を再生する
変換が完了したMP4ファイルや、元のAVIファイルなど、あらゆる形式の動画をPCで高品質に再生したい場合は、無料の「Leawo Blu-ray Player」を利用するのも良いでしょう。

💿 Leawo Blu-ray Player
🎬 AVI、MP4、MKVはもちろん、Blu-rayやDVD、ISOファイルまで。
ほぼ全ての動画・音声形式を高品質で再生できる完全無料のプレーヤーソフトです。
ClipchampとLeawo 動画変換プロの比較表
Windows標準機能(Clipchamp)と専門ソフト(Leawo)の主な違いを一覧表にまとめました。
よくある質問(FAQ)
AVIからMP4への変換時によくある疑問点にお答えします。
Q1. AVIファイルがClipchampや他のソフトで読み込めない場合、どうすればいいですか?
A1. 読み込めない主な原因は、AVIファイル内で使われている「コーデック」が古いか特殊であるためです。Clipchampや標準的なプレーヤーがそのコーデックに対応していない場合、エラーになります。
対策: Leawo 動画変換プロのような、より広範なコーデックに標準対応している専門ソフトで読み込みを試してください。多くの場合、Clipchampで開けなかったファイルも正常に認識できます。
Q2. 変換すると画質が劣化しますか?対策はありますか?
A2. 変換(再エンコード)を行うと、理論上はわずかな画質劣化が発生します。
対策: 劣化を最小限に抑えるには、出力設定が重要です。「Leawo 動画変換プロ」の詳細設定で、ビットレート(VBR)を元の動画と同等か、それ以上に高く設定することで、見た目上の劣化(ブロックノイズなど)をほぼ「無劣化」に近いレベルで防ぐことが可能です。
Q3. 変換後のMP4ファイルが重すぎます。容量を小さく(圧縮)する方法は?
A3. ファイルサイズは主に「解像度」と「ビットレート」で決まります。
対策: Clipchampの場合は、エクスポート時に1080pではなく720pを選択すると、ファイルサイズは小さくなります。より細かく調整したい場合は、「Leawo 動画変換プロ」でビットレートの数値を下げるか、同じビットレートでも圧縮効率の高い「H.265」コーデックを選択することで、画質を維持したままファイルサイズを劇的に圧縮できます。
Q4. 無料でAVIをMP4に変換するおすすめの方法は?
A4. 安全性・手軽さを考慮すると、Windows 11/10に標準搭載されている「Clipchamp」を利用するのが最もおすすめです。
オンラインの変換サイト も存在しますが、大容量ファイルに対応していなかったり、広告が多かったり、セキュリティ面での不安が残ります。aviからmp4への変換フリーソフトも多数ありますが、安全が確認できないソフトのインストールは推奨されません。
Q5. MacでAVIをMP4に変換するにはどうすればよいですか?
A5. Macユーザーの場合、標準搭載の「iMovie」がClipchampと同じ役割を果たします。iMovieにAVIファイルを読み込み、プロジェクトとして書き出せば、MP4ファイル(またはMOVファイル)として保存できます。
iMovieでも読み込めないAVIファイルや、より詳細な設定、バッチ変換が必要な場合は、「Leawo 動画変換プロ」のMac版が対応しています。
まとめ:とりあえずMP4にするならClipchamp、本格変換はLeawo
AVIからMP4への変換は、目的に応じてツールを使い分けるのが賢明です。
まずは標準のClipchampを試し、もし機能が不足したり、より高度な画質調整や圧縮が必要になったりした場合は、Leawo 動画変換プロを活用しましょう。
