「OBSの使い方が難しくて、結局あきらめてしまった…」
そんな経験はありませんか?
無料でプロ並みの高画質録画ができるOBS Studioは非常に強力ですが、多くの初心者がその複雑な設定画面を前に挫折してしまいます。
でも、もう大丈夫です。この記事を読めば、その悩みは全て解決します。 OBSの基本である「シーン」や「ソース」の仕組みから、ゲーム実況やZoom会議といった目的別の録画手順まで、誰でも真似するだけで今日からOBSをマスターできるように、どこよりも分かりやすく解説します。録画できない・画面が真っ黒になる・音声が入らないといったトラブルの解決法も紹介します。
OBS Studioとは?主な特徴とできること
まず、「OBSとは何か」を簡単におさらいしましょう。OBS (Open Broadcaster Software) は、PCの画面やWebカメラの映像、マイクの音声などをリアルタイムでキャプチャし、録画やライブ配信ができる無料のソフトウェアです。
OBSの主な特徴
- 完全無料: ロゴの透かしなども入らず、全ての機能を無料で利用できます。
- 高機能・高画質: 細かい設定が可能で、フルHDや4Kといった高画質な録画に対応しています。
- 多様な用途: PC画面の録画だけでなく、YouTube LiveやTwitchなどでのライブ配信も可能です。
- クロスプラットフォーム対応: Windows、Mac、Linuxで利用できます。
このソフト一つで、ゲーム実況動画の作成、オンライン講座の収録、Web会議の議事録作成など、さまざまな用途に活用できます。
OBS Studioのダウンロードとインストール方法
OBSを利用するためには、まず公式サイトからインストーラーをダウンロードします。
- 公式サイトにアクセス: OBSの公式サイトにアクセスします。
https://obsproject.com/ja
- インストーラーのダウンロード: お使いのOS(Windows, macOS, Linux)に合ったインストーラーを選択してダウンロードします。

- インストール: ダウンロードしたファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めます。特に設定を変更する必要はなく、数分で完了します。
OBS録画の基本設定:高画質で安定した録画を目指す
録画を開始する前に、基本的な設定を済ませておきましょう。ここでの設定が、録画ファイルの品質や安定性に大きく影響します。
OBSを起動し、右下のコントロールパネルから「設定」をクリックしてください。
出力設定:録画フォーマットと保存先
左側のメニューから「出力」を選択し、「出力モード」を「詳細」に変更します。
その後、「録画」タブをクリックしてください。

- 種別: 「標準」のままで問題ありません。
- 録画ファイルのパス: 「参照」ボタンから、録画した動画を保存したいフォルダを選択します。分かりやすい場所を指定しておきましょう。
- 録画フォーマット:「MKV」を推奨します。
MP4は汎用性が高いですが、録画中にPCがクラッシュした場合などにファイルが破損するリスクがあります。MKV形式なら、録画が中断されてもそこまでの映像は確実に保存されます。録画後にMP4へ簡単に変換できるため、まずはMKVで録画するのが安全です。MP4を選ぶと、録画できない/ファイルが破損するケースもあるので注意が必要です。 - エンコーダ: グラフィックボードを搭載したPCなら、「NVIDIA NVENC H.264」や「AMD VCE H.264」を選択すると、PCへの負荷を抑えつつ高画質な録画が可能です。ない場合は「x264」を選択します。
映像設定:解像度とフレームレート(FPS)
次に、左側メニューの「映像」をクリックします。

- 基本 (キャンバス) 解像度: あなたが使っているモニターの解像度を選択します(例: 1920×1080)。
- 出力 (スケーリング) 解像度: 実際に録画される動画の解像度です。基本的にはキャンバス解像度と同じで構いません。
- FPS共通値: フレームレート(1秒あたりのコマ数)です。一般的な動画なら「30」で十分ですが、動きの速いゲームを滑らかに録画したい場合は「60」に設定しましょう。PC性能を超える設定にするとカクつきや録画できない不具合が出ることもあります。
音声設定:デスクトップ音声とマイク音声
左側メニューの「音声」をクリックします。

- グローバル音声デバイス:
- デスクトップ音声: 「既定」に設定しておけば、PCで再生される音(ゲーム音、動画の音声など)が自動的に録音されます。
- マイク音声: 使用するマイクを選択します。
これらの初期設定を済ませておけば、いつでも快適に録画を開始できます。
【実践編】シーン別OBS録画方法
OBSでは、「シーン」と「ソース」という概念を理解することが重要です。
- シーン: 複数の映像や音声を組み合わせた「場面」のこと。例えば、「ゲーム録画用シーン」「会議録画用シーン」のように使い分けます。
- ソース: シーンに追加する個々の映像や音声の要素。「PC画面」「Webカメラ」「マイク」などがソースにあたります。
この2つを組み合わせて、録画したい画面を構築します。
① PC画面全体を録画する方法(ディスプレイキャプチャ)
デスクトップ上の操作を全て録画したい場合に使う方法です。
- シーンの作成: OBS画面左下の「シーン」パネルで「+」ボタンを押し、分かりやすい名前(例: PC画面全体)を付けてシーンを作成します。
- ソースの追加: 作成したシーンが選択されていることを確認し、「ソース」パネルの「+」ボタンをクリック。「画面キャプチャ」(macOSの場合は「macOS画面キャプチャ」)を選択します。

- ソース名の設定: ソースに名前を付けて「OK」をクリックします。

- キャプチャするディスプレイの選択: 複数のモニターを使っている場合は、録画したいモニターを選択し、「OK」をクリックします。

- 録画開始: プレビュー画面にPCのデスクトップが表示されたら、右下の「録画開始」ボタンをクリックして録画を始めます。

- 録画終了:する際は「録画終了」ボタンを押します。

② 特定のアプリ・ウィンドウのみを録画する方法(ウィンドウキャプチャ)
ブラウザや特定のアプリケーションの画面だけを録画したい場合に便利です。
手順はディスプレイキャプチャとほぼ同じですが、ソースを追加する際に「ウィンドウキャプチャ」を選択します。プロパティ画面で、録画したいアプリケーションのウィンドウを選択すれば、そのウィンドウだけが録画対象となります。
③ ゲーム画面を録画する方法(ゲームキャプチャ)
ゲームの録画には、「ゲームキャプチャ」ソースが最適です。PCへの負荷が少なく、より安定した録画が可能です。
- ゲームを起動: 先に録画したいゲームを起動しておきます。
- ソースの追加: 新しいシーンを作成し、ソースから「ゲームキャプチャ」を選択します。

- キャプチャモードの選択:
- モード: 「特定のウィンドウをキャプチャ」を選択します。
- ウィンドウ: 起動しているゲームのプロセスを選択します。
- 録画開始: ゲーム画面がプレビューに表示されたら、録画を開始します。
④ Zoom会議を録画する方法
Zoomなどのオンライン会議もOBSで録画できます。これにより、Zoomの標準録画機能が使えない場合でも、手元に記録を残すことが可能です。
- ソースの選択: 「ウィンドウキャプチャ」を使い、Zoomのミーティングウィンドウを指定します。

- 音声の確認: 「音声ミキサー」パネルで、「デスクトップ音声」(相手の声)と「マイク音声」(自分の声)の両方のレベルメーターが動いていることを確認します。

- 録画開始: 会議が始まったら「録画開始」ボタンを押します。
この方法を使えば、会議の映像と音声をまるごと記録できます。もし黒画面になってしまう場合は、ウィンドウキャプチャの設定や管理者権限での起動を試してください。

🎥 高画質・予約録画も可能な多機能スクリーンレコーダー
💻 簡単な操作でPC画面を音声付きで録画
🎥 フルスクリーン、特定領域、Webカメラなど多彩な録画モード
⏰ 録画開始・終了時間を設定できる予約録画機能
✍️ 録画中のリアルタイム描画・注釈追加に対応
✨ ロゴ・透かしなしで高品質な動画を出力
OBS録画の応用テクニック:音声ミキサーとEarTrumpetの活用
Zoom会議を録画する際、「会議の音声だけを録音したいのに、PCの通知音まで入ってしまう」という経験はありませんか?OBSの「音声ミキサー」と、Windows用の無料アプリ「EarTrumpet」を組み合わせることで、この問題を解決できます。

- EarTrumpetのインストール: Microsoft StoreからEarTrumpetをインストールします。
- 音声出力の分離: EarTrumpetを使うと、アプリケーションごとに音声の出力先を仮想オーディオデバイスなどに変更できます。
- OBSでの音声設定: OBSの音声設定で、特定の仮想オーディオデバイスからの音声のみを拾うように設定します。
この手順は少し高度ですが、これにより不要な音を排除し、クリアな音声で会議を録画することが可能になります。OBSで音声が入らない場合は、マイク設定や仮想オーディオデバイスの確認も重要です。
OBSで録画できない/黒画面・音声が入らない場合の対処法
OBSで録画しようとした際に、画面が真っ黒になる、音声が入らないといったトラブルが発生することがあります。
- 画面が真っ黒になる(ゲームキャプチャ・ウィンドウキャプチャ)
OBSを「管理者として実行」することで解決する場合があります。また、ノートPCの場合は、OBSが使用するGPUと対象アプリが使用するGPUが異なっている可能性も考えられます。 - 音声が録音されない
「設定」→「音声」で、正しいデスクトップ音声デバイスやマイクが選択されているか確認しましょう。また、「音声ミキサー」でミュートになっていないかもチェックが必要です。
Windowsでの画面録画に関する詳しい問題解決策の記事でも、一般的なトラブルシューティングを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
OBSは非常に強力なツールですが、より手軽に、直感的な操作でPC画面を録画したい方には、専用のソフトが便利です。2025年おすすめのPC画面録画ソフトを比較した記事では、様々なニーズに合わせたツールを紹介しています。
録画した動画の活用法:再生と変換
OBSで録画した高画質な動画ファイルは、PCの標準プレーヤーではスムーズに再生できないことがあります。
また、編集ソフトで利用するために、録画フォーマットをMKVからMP4などに変換したい場合もあるでしょう。
Leawo DVD作成
MKV, MP4, MOVなど180種類以上のフォーマットに対応した高速動画変換ソフト。
Leawo Blu-ray Player
4K動画やBlu-ray/DVDディスクを高品質で再生できる無料プレーヤー。
OBSでの録画に関するよくある質問(FAQ)
Q1: OBSの録画時間に制限はありますか?
A1: いいえ、OBS自体に録画時間の上限はありません。録画時間は、お使いのPCのハードディスクの空き容量によってのみ制限されます。
Q2: 録画したファイルの保存先はどこですか?
A2: デフォルトでは、Windowsの「ビデオ」フォルダに保存されます。この保存場所は、「設定」→「出力」→「録画」
タブの「録画ファイルのパス」からいつでも変更できます。
Q3: OBSは無料で安全に使えますか?
A3: はい、OBSはオープンソースソフトウェアであり、世界中の多くのユーザーによって利用・検証されています。公式サイトからダウンロードする限り、安全に無料で利用できます。
Q4: 録画ファイルが大きすぎます。容量を小さくするには?
A4: ファイルサイズを小さくするには、いくつかの方法があります。「設定」→「映像」
で出力解像度やFPSを少し下げる、または「設定」→「出力」
のエンコーダ設定でビットレートを下げることで、ファイル容量を抑えることができます。ただし、画質は低下します。
Q5: 配信しながら同時に録画できますか?
A5: はい、可能です。OBSのコントロールパネルには「配信開始」と「録画開始」のボタンが別々にあり、それぞれ独立して操作できます。配信と同じ内容を、より高画質な設定でローカルに録画しておく、といった使い方ができます。
まとめ
今回は、OBS Studioを使った画面録画の方法を基本から応用まで紹介しました。
- 無料で高機能な録画・配信ソフト
- 出力・映像・音声の基本設定が安定録画のポイント
- シーンとソースを組み合わせて柔軟に画面を構成
- 「ゲームキャプチャ」や「ウィンドウキャプチャ」で用途に応じた録画が可能
- 録画できない/黒画面/音声が入らないなどのトラブルも、設定を見直すことで多くは解決できます
PC画面の録画は、ゲーム実況やチュートリアル作成、会議の記録など幅広く活用できます。OBSは多機能で便利ですが、初めての方には少し難しく感じるかもしれません。そうした場合は、よりシンプルに使える Leawo Free Screen Recorder のようなソフトを併用してみるのも一つの選択肢です。